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2025.01.26

漢方的、風邪の治し方(ざっくりと)

10月以降のカウンセリングの振り返りをコラムに投稿しようしようと思いつつ、
ありがたいことにとても忙しく
そんな暇もないまま年があけてしまいました・・💦

10月から12月はいつも通りいろんなお悩みの方がいらっしゃいましたが、
やっぱり多かったのが「風邪」のご相談

いつも漢方薬をお出ししているお客様が
風邪をひかれたのでお出しすることもあれば、
インフルやコロナの後遺症でご相談された方も多くいらっしゃいました

風邪の漢方薬=葛根湯
このイメージがいまだに根強いですが、
風邪の弁証って本当に複雑!
なぜなら風邪の症状は日に日に、コロコロと変わっていくからです

そして同じインフルでも出る症状はひとそれぞれ
インフルA型だからこの漢方、ではなく
やはりその人の体質に合った漢方薬を見極めることが大切です

今日はそんな複雑な風邪の弁証論知(べんしょうろんち)を、
ざっくりと!お伝えしていこうと思います

***

【風邪の初期】風熱か風寒かを見極める

ウィルスや菌、寒さなど”邪気”が身体に入り込むと
首の後ろ〜肩甲骨の間あたりがゾクゾクしてきます
👉これを「風寒(ふうかん)」と言います

ちょうどそのあたりにあるツボが”風門(ふうもん)”
「風邪(ふうじゃ)が侵入する入り口」なので風門と言います

このときに使うお薬が、みんな大好き「葛根湯」です
葛根湯は”足太陽膀胱経”の炎症を整えるお薬と言われており、
風門もこの経絡の途中に位置します
(下の図の上から6番目が風門)

☝️ちなみに家に葛根湯がないときは
ドライヤーやホッカイロなどで「風門」のツボを温めてあげるのもおすすめです

それに対して、邪気が入り込んだときに喉の痛みや発熱など
炎症が強い状態を「風熱(ふうねつ)」と言います🔥

この場合は銀翹散(ぎんぎょうさん)・銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)
*金子漢方薬局では羚羊角が入っている金羚感冒散(きんれいかんぼうさん)を用います
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)などがよく使われます

寒気もするし、喉もヒリヒリする、どっちがいいの!?
こういったお客さまには、葛根湯と金羚感冒散の両方を飲んでいただいております🙆
(この2つは常備薬として、お家の薬箱に入れておくと安心です)


【風邪の中期】邪気が身体の内側に入り始めた状態

赤ちゃんや子供、免疫力が強いひとは
邪気が入ってもバーンと発熱し、翌日にはケロッと治りますが、
日頃から慢性疲労・ストレス過多・運動不足などが蓄積している人は
かなり免疫力も低下しているため、
邪気がからだの内側(裏側)に徐々に侵入してきます

でもまだ喉や鼻などからだの表面でも戦いは続いており、
粘膜に炎症もある状態
これを漢方では「半表半裏(はんぴょうはんり)」と言います

ここから弁証は複雑になっていきます
なぜなら半表半裏の症状はひとによって違うからです🙅

✦胃腸にきてしまうひと(嘔吐・食欲不振・下痢・消化不良など)
✦気管支系にきてしまうひと(咳が止まらない・痰が出るなど)
✦鼻や耳系にきてしまうひと(鼻水・鼻づまり・蓄膿症・中耳炎など)

それぞれ出すお薬が変わってきます
(これについて処方を書くとキリがないので、またテーマ別に書こうと思います)


半表半裏のときに使うお薬のベースになるのが
「小柴胡湯(しょうさいことう)」
2世紀末に中国の張仲景というひとが作りました

この張仲景が作った医学書「傷寒論」には
葛根湯をはじめ、小柴胡湯や小青竜湯、桂枝湯など
現代でも風邪のときに大活躍の漢方薬がたくさん掲載されています📖

2000年以上も前にブレンドされたお薬を
今でも現代人が使って良くなるって、すごいですよね〜

しかもコロナの時は西洋医学でも治せなかった後遺症などが、
「傷寒論」に書かれている通りに弁証して処方すると
改善したケースも多々ありました

何千年経っても、ひとの身体は変わらないということですね〜

【風邪の後期】とにかく”正気”を回復させる

風邪の後期になってくると
邪気との戦いに疲れ果てて、身体はかなり弱っています😞
(疲れ・だるさ・倦怠感、食欲不振など)

こういったときはしっかり”気”をチャージする
四君子湯(しくんしとう)・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を用いたり、
メンタル面にきている方は”柴胡剤”(柴胡桂枝湯や柴胡桂枝乾姜湯など)を用いたりします

このときの食事でダントツおすすめなのは”参鶏湯(サムゲタン)”
とり肉・なつめ・蓮の実など、
胃腸を元気にして「気」を補う食材ばかりなのでピッタリ✨

年末年始はインフルやコロナが流行っていたせいか、
オンラインでもメルカリでも「補」をたくさんの方にご購入いただきました😅
https://kanecopharmacy.stores.jp/items/6205bc041dca32032a9fa21f

***

ちなみに、
日頃からうちで漢方薬を飲まれている方で
「家族全員インフル(もしくはコロナ)で全滅したけど、わたしだけかからなった!」
という方は結構多くいらっしゃいました

そもそも漢方とは「未病を防ぐもの」

火事になってあわてふためくのではなく、
日頃から養生を行い、ボヤを防いでいくものです

何事もコツコツと、積み重ねが大切です✨
漢方薬だけでなく養生のサポートもさせていただきますので、
お気軽にご相談ください☺️

🌿オンライン相談も人気です🌿
金子漢方薬局カウンセリングについて
https://kaneco-pharmacy.com/counseling/