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2023.01.27

冷え性と漢方

今年の冬は冷えのご相談がとても多い印象でした

冷え性はなかなか病院に行って治せるものではないため、漢方薬はかなり有効になります

ただ、いつもお話ししているように漢方薬は”症状”で出すものではありません


冷え性=この薬ではなく、体質(ひと)によって出す薬はぜんぜん違ってきます

今回はざっくりですが4つのタイプに分けてみました

①寒(かん)タイプ

②血(けつ)タイプ

③脾(ひ)タイプ

④腎(じん)タイプ

寒(かん)タイプ

からだに”寒さの邪気”が侵入することで、血流が悪くなり、冷えを生じるタイプ
ゾクゾクして悪寒や肩こりを感じることもあれば、頭痛や神経痛などが悪化するケースもあります

【よく使う漢方薬】
当帰四逆湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・疎経活血湯など

【おすすめ養生】
邪気は首から侵入しますので首や足首をしっかりと守り、
お風呂に長めに入るなどしてしっかりと温めましょう

血(けつ)タイプ

貧血や出血過多、夜更かしや心労によって”血”を消耗し、末端まで血が行き届かなくなっているタイプ

【よく使う漢方薬】
当帰芍薬散・温経湯・芎帰調血飲第一加減など

【おすすめ養生】
きれいな”血”は夜に作られます
なるべく早めに眠り、夜はリラックスしてゆったりと過ごすようにしましょう

脾(ひ)タイプ

からだを温める”気”や”血”は、食べ物から作られます

「脾」=消化器系が弱ることで、食べ物から気・血を作りにくくなっており、エネルギー不足によって冷えを生じているタイプ

【よく使う漢方薬】
六君子湯・人参湯・十全大補湯など

【おすすめ養生】
なるべく温かい、消化に良いものを食べて暴飲暴食を避けましょう(腹八分がたいせつです)


腎(じん)タイプ

からだを温める”気”は生命力として、「腎」に蓄えられています
腎が衰えはじめるのは40歳過ぎたあたりからですが、出産後の女性や、過労が続くと「腎」も衰えてきます

【よく使う漢方薬】
八味地黄丸・牛車腎気丸など

【おすすめ養生】
とにかく無理はせず、冬の間は早寝遅起きでのんびり過ごしましょう
腎のツボは腰にあるので、ホッカイロやお灸で”腎兪(じんゆ)” のツボを温めるのもおすすめです

漢方薬は冷えに有効ですが、体質改善の「答え」は必ず生活習慣にあります

✦毎日シャワーだけで済ます

✦夜中に携帯やテレビを見て、寝るのが1時や2時

✦朝からヨーグルトやスムージー、サラダなど冷たいものを食べる

こういった生活習慣の積み重ねもまた、冷えを増強させます


そして冷え性を改善する最高の薬は「運動」です

筋トレや有酸素運動によって筋肉をしっかりと活用することで

代謝も上がり⤴️血流も良くなり⤴️冷えは改善していきます


ただ、運動する体力がない、冷え過ぎてやる気もおきない・・

こういった時に漢方薬は支えになります🌿

冷えを放置すると月経トラブルや不妊症、神経痛などの悪化にもつながっていきますので

なるべくひどくなる前にご相談くださいね❄️