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2026.02.13

花粉症(アレルギー性鼻炎)の漢方薬使い分けと養生法

そろそろ花粉症の季節🌿
花粉にかかわらず、一年中アレルギー性鼻炎に悩まれる方も多いかと思います

耳鼻科に行くと抗ヒスタミン薬や点鼻・点眼薬、
ひどい方は舌下免疫療法などの治療法を行いますが、
漢方薬は「鼻炎だからこの薬」とは選びません
必ずその方の「体質(証)」を診ていきます

アレルギー性鼻炎に関わりのある臓腑は「肺」

そもそも、アレルギー症状がどうして起こるかを簡単に解説します

漢方では「五臓」という、
身体の中に5つのシステムがあると考えますが
アレルギー症状は「肺」と関わりがあります

そもそも「肺」とは?
 皮膚や粘膜に関わる部分で、ウィルスや邪気(寒さ・風・暑さなど自然界のもの)が
 外から侵入しないように、身体を守る外壁のような存在

 衛気(えき=防衛する力)が身体にあれば、それらを跳ね返すことができますが
 慢性的な疲れやストレスの蓄積などによって衛気が弱まると侵入してしまい、
 鼻炎・気管支系のトラブル・皮膚疾患などアレルギー症状が起こりやすくなります

そして「肺」には宣発(宣散)・粛降作用といい、
身体の中の水の循環を整える働きがあります

 「肺」が弱まると体内の水の巡りが悪くなり、
 鼻水や痰などがたまりやすくなると、漢方では考えます

この「肺」にたまった水を発散させる代表的な生薬が「麻黄(まおう)」
風邪薬の代表である、葛根湯・麻黄湯などにメインの生薬として使われます
*ちなみに膝に水がたまったときなども麻黄が入った漢方を使ったりします

*麻黄:辛温解表薬の王様👑
 発汗させることで邪気を外に追い出していきます

ただ、「麻黄」は肺を温めて水を発散させる生薬なので
証が「寒/熱」 どちらなのか見極めることが大切です

アレルギー性の症状は大きく分けて2つ
「風寒(ふうかん)」か「風熱(ふうねつ)」

*ちなみにアレルギー症状だけでなく、風邪もこの二つに分かれます
(くわしくは「漢方的、風邪の治し方」https://kaneco-pharmacy.com/column/article1168/ をご覧ください)

「風寒証」は寒さや乾燥によって「肺」が冷えている状態
「麻黄」「桂枝(シナモン)」「生姜」「細辛」など
肺を温め、発汗を促す生薬を使って体調を整えていきます


【風寒のアレルギー症状に用いる代表的な漢方薬】
 小青竜湯/葛根湯加川芎辛夷/桂枝湯/苓甘姜味辛夏仁湯など

【おすすめ養生法】
 ⚪️ ネギ・生姜などをたっぷり入れた、温かいスープを飲む
 ⚪️ シナモンティーや生姜紅茶、チャイなどを日頃から取り入れる
 ⚪️ 軽めの運動や、半身浴・サウナなどで適度に汗をかく

 なるべくからだを内側から温め、汗をかくような養生を取り入れましょう

それに対し「風熱証」は、ウィルスと一生懸命戦うことで
「肺」に熱(炎症)が起きている状態🥊

「石膏」「知母」「薄荷」「牛蒡子」など
炎症をクールダウンさせる生薬をおもに用います

【風熱のアレルギー症状に用いる代表的な漢方薬】
 荊芥連翹湯/辛夷清肺湯/金羚感冒散(銀翹散)など
 *ちなみに、ズルズルの透明な鼻水(風寒)だけど、目の痒みがひとい(風熱)
  このような場合は「小青竜湯加石膏」などを使ったりもします

【おすすめ養生法】
 ⚪️ 唐辛子・胡椒・生姜などは避け、春菊・菜花・セロリなど緑色の野菜を積極的に摂り入れる
 ⚪️ 甘いものや脂こいものの取りすぎも「熱」を増やすので、控えめに
 ⚪️ ストレスや怒りも「熱」を増強させるので、深呼吸してなるべくリラックス〜🍃

「肺」を支えるのは「脾」


「肺」のお母さんにあたる「脾」は、おもに飲食物の消化・吸収を担当します
ここが弱くなると水分の吸収がうまくいかなず、
「肺」の水の調整も滞ってきます

✅ふだんから下痢しやすい
✅冷たい飲み物やお酒をたくさん飲む
✅暴飲暴食しがち
✅夜遅い食事が多い

こういった生活習慣によって「脾」が弱ると(=脾虚と言います)
ずるずると鼻水が出る/お酒を飲むと悪化する/アレルギー剤飲んでもあまり効かない
このように慢性化したアレルギー症状が出やすくなります

こういった方は「肺」ではなく、
おおもとの「脾」を整える漢方薬を使うことで改善するケースが多いです

【脾虚によるアレルギー症状に用いる代表的な漢方薬】
 六君子湯/補中益気湯/参苓白朮散など

【おすすめ養生法】
 ⚪️ なるべく温かいものを飲み、冷たい飲食物は避ける
 ⚪️ ゆっくり、よくかんで食事をし、腹八分を心がける
 ⚪️ 夜遅い食事の場合は、スープなど消化に良いものにする

季節に関わらず、基本的に胃腸は冷やさず、常に温めておくことがたいせつです☝️✨

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ここに書いた漢方薬はあくまでも一例であり
常々お伝えしているように、漢方は体質に合ったものを飲むことが大切です

うちの薬局でも、アレルギーとは全く関係のない
婦人科系の漢方や、メンタルを整えるような漢方によって
いつのまにか花粉症が治ってた!ということは多々あります

本来、漢方薬とは「未病(=大きな病気の一歩手前)を防ぐもの」

シーズンになって慌てて飲み始めるのではなく、
日頃から体質に合った漢方をコツコツと無理なく続けて
これから先起こりうる、さまざまな「未病」を防いでいきましょう🌿

【おまけ】
鼻炎におすすめのツボ

「迎香」は鼻詰まりや鼻炎によく用います
しんどいときにぎゅっぎゅっ!とツボ押ししましょう👍

また、目の痒み・喉の痛み、頭痛・歯痛など
顔面のトラブルには「合谷」と言われているほど、万能なツボ
ここをグリグリ押すと痛気持ち良いので、ひまなときはぜひグリグリやってみてください〜

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